嚥下障害とは

高齢化社会となった今、比例して嚥下障害が増加傾向にあります。
加齢による筋力の低下や神経系の機能低下によりのどの筋肉や神経も影響を受けます。
- 食べ物を飲むとき飲み込みづらい
- 食べ物を食べるとよくむせる
- 食事中や食後に声がかすれる
- 食事に時間がかかるようになった
などの症状があれば、嚥下障害が疑われます。 嚥下障害が起こると、食べ物や水分が肺に入り込み、誤嚥性肺炎を発症することもあります。特に高齢者においては、誤嚥性肺炎は重篤化しやすく、生命に関わる危険性もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
嚥下障害の原因
原因は、脳障害や神経筋疾患によるものの他に、加齢による筋力、神経系の低下によりのどぼとけの位置が下がり、飲み込む機能(嚥下機能)が悪くなっていくことが挙げられます。
ある程度の機能低下は自然なことですが、のどの知覚低下により誤飲してもむせなくなり、気管や肺に食べ物などが侵入することで、肺炎などの重篤な症状に発展することが心配されます。
また、嚥下機能低下が原因で食べ物をのどに詰まらせる窒息事故が起こることもあります。
その他にも、脳梗塞やパーキンソン病などの神経疾患、のどの腫瘍や炎症、頸椎の異常なども嚥下障害の原因となる場合があります。思い当たる症状がある場合は、早めに専門医へご相談ください。
嚥下内視鏡検査(VE検査)
嚥下内視鏡検査とは、細い内視鏡(ファイバースコープ)を鼻から挿入し、のどの動きや食べ物・水分の飲み込みの様子を直接観察する検査です。
英語ではVE(Videoendoscopic Evaluation of Swallowing) とも呼ばれます。
検査の特徴・メリット
- リアルタイムで観察できる:実際に食べ物や飲み物を摂取しながら、嚥下の瞬間をモニターで確認できます。
- 安全性が高い:X線を使用しないため、被ばくの心配がなく、繰り返し検査を行うことができます。
- 外来で実施可能:入院の必要がなく、外来での検査が可能です。
- 誤嚥の有無を正確に判定できる:食べ物がどのタイミングで、どのように喉頭へ流れ込むかを詳しく評価できます。
検査の流れ
1.細い内視鏡を鼻から挿入し、のどの状態を観察します。
2.実際に水などを飲み込んでいただき、嚥下の動きを確認します。
3.検査結果をもとに、嚥下機能の評価や今後の治療方針を決定します。
検査自体は短時間で終わり、患者様への負担も少ない検査です。嚥下障害が疑われる場合、または誤嚥性肺炎を繰り返している場合などに、この検査を積極的にお勧めしています。
嚥下障害の治療
まずはのどの炎症が起こっていないかを確認します。腫瘍によって通り道が狭くなっていることが嚥下障害に繋がっていることがあるので、ファイバースコープを使ってしっかりと診断します。
腫瘍や炎症が原因ではない場合は、以下のような対応を行います。
- 食事方法のアドバイス:食べ物の形態(とろみをつけるなど)や食事姿勢についての指導
- 嚥下体操の指導:のどの筋力を鍛えるリハビリ体操の実施
- 生活習慣の改善:口腔ケアの徹底や、誤嚥を防ぐための日常生活の見直し
肺炎が疑われる場合や、専門的な治療が必要と判断された場合には、適切な医療機関をご紹介いたします。嚥下障害は早期に対処することで、症状の進行を抑えることができます。
少しでも気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。