花粉症とは
花粉症は、アレルギー性鼻炎の一種で、特に植物の花粉が原因となって、
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻づまり
- 目のかゆみ
- 皮膚のかゆみ
などの症状を起します。
スギ花粉・ヒノキ花粉が代表的な存在ですが、日本人の3割以上がスギ花粉症だと言われています。ただし、アレルギーを引き起こす植物はスギ・ヒノキ以外にも実はたくさんあり、約60種類あると言われています。 また、この様に花粉の飛ぶ季節にだけ症状が起こることを季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)と言います。
花粉症の治療
花粉症をはじめとするアレルギー性鼻炎は、治療を始める前にアレルギーの原因(アレルゲン)を特定することで、アレルゲンの回避、除去などの対応ができ、症状を起こりにくくすることができます。
また、小さなお子様の場合は数年で反応するアレルゲン物質が変わってしまうということもしばしば起こるため、2~3年に1回程度検査を行うことを推奨しています。 (当院でのアレルギー検査は小学生以上を対象としています)
アレルギー検査では、問診、鼻鏡検査を行うとともに、血液検査を行ってアレルゲンを特定します。 その上で、花粉症を含めたアレルギー性鼻炎の治療は、抗原回避(アレルゲンを回避すること)と薬物療法を中心に行います。
その他に、鼻の粘膜をレーザー照射することで花粉の付着を防ぎ、鼻づまり解消に効果があるレーザー治療や、スギ花粉症に対して根治治療が可能な舌下免疫療法も積極的に行っています。
抗原回避
花粉シーズンにマスク、めがね、洗濯物やお布団を室内干しにするなど、花粉に極力触れないよう対応することです。 帰宅時衣服についた花粉を払い室内に持ち込まない、空気清浄機を付ける、マンションにお住まいの場合24時間換気を停止することも効果があります。
薬物療法
抗ヒスタミン薬の服用、目薬、点鼻薬を処方します。 (例年使用しているお薬がある場合はお申し出ください) (皮膚の痒みがある場合は塗り薬も当院で処方できます)
レーザー治療
鼻の中の粘膜を照射することで粘膜に花粉などのアレルゲンが付着することを防ぎ、鼻水、鼻づまりなどの症状を緩和すると言われています。 日帰りの手術です。
レーザー治療について詳しくはこちら舌下免疫療法
アレルゲンを少量づつ錠剤で服用いただくことで、花粉症の根本的な治療が目指せる治療です。治療を行った約80%の方が効果を実感できる治療法です。
舌下免疫療法について詳しくはこちら当院ではゾレア®皮下注射治療を行っています
花粉症は花粉によってIgE抗体が作られ、マスト細胞と結合することでくしゃみ、鼻水等の症状が起こります。通常の抗アレルギー薬が炎症を起こす化学物質の働きを抑えるのに対して、ゾレアはIgE抗体がマスト細胞に結合することをそもそもブロックすることで症状を元から抑える効果が期待できます。 スギ花粉シーズン中2週~4週間毎に皮下注射により投与を行います。
ゾレアの注意点
- 12歳以上で体重が20~150kgの方
- 重度花粉症の方に限る
- 費用についてはIgEの濃度と体重によって変わります
より詳しくお知りになりたい方はゾレアの公式HPもご覧ください
初期療法について
毎年1月下旬ごろ、まだ花粉症の症状が出ていない時期からお薬を飲み始めると、症状が出てからよりも症状が軽く済むことが多いと言われています。
一般的に花粉症治療に用いられている第2世代抗ヒスタミン薬(一般的にアレルギーのお薬と言われているもの)をスギ花粉の飛散が開始する約2週間前(症状が出る前)から飲み始めます。
症状が出た後に薬を飲み始めるのに比べて、症状が軽くすむことが多いとのデータが出ています。特に鼻水、くしゃみが強いタイプの方に効果的です。
スギ花粉の飛散開始は、「一測定点で、1月以降にスライドガラスの1平方センチメートル内にスギ花粉が1個以上捕集される日が、原則として2日以上続いた最初の日とする」とされています。
これはその年の1月の最高気温を毎日足していった値によるとされており350℃~400℃に達した時が目安になるとされています。 では、いつごろ花粉の飛散が開始するかというと、過去のデータから、横浜市の場合は2月5日~20日の間ぐらいです。 年によって2週間程度の差があるため、横浜市の場合は1月下旬から予防的に薬を飲み始めると良いでしょう。
鼻スプレー(点鼻薬)の効果
最近、予防効果が明らかになってきているものに、局所ステロイドスプレーがあります。 効果が強く副作用が少ないため、症状が強く出る方や鼻づまりが強い方には、内服薬に加えて局所ステロイド薬のスプレーを併用します。
局所ステロイド薬の鼻スプレーは、ステロイドの内服薬と違い使用量がごく微量で体に吸収されにくいため、安心して使用して頂けます。