睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が頻繁に止まる、または浅くなる病気です。
これにより、体内の酸素濃度が低下し、脳や全身に負担がかかります。
高血圧、心疾患、脳卒中といった生活習慣病のリスクが高まるだけでなく、日中の強い眠気や集中力低下を引き起こし、日常生活に支障をきたす可能性があります。
肥満、首回りの太さ、下顎の小ささなどが関連し、特に男性に多く見られます。
加齢による喉の筋肉の緩みも原因の一つです。早期発見と適切な治療が重要であり、気になる症状があれば医療機関への相談をお勧めします。
主な症状
睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状は、大きないびき、日中の強い眠気、そして睡眠中の呼吸停止です。
大きないびきは睡眠時無呼吸症候群患者によく見られ、特に呼吸が途絶えるような場合は注意が必要です。
日中の眠気は、睡眠中の酸素不足が原因で起こり、集中力低下や居眠り運転のリスクを高めます。
夜間の呼吸停止は、家族など周囲の人が気づくことが多いものの、自覚がない場合もあります。
これらの症状が複数当てはまる場合は、専門医の診察を検討しましょう。放置すると様々な合併症のリスクがあるため、早期の診断と治療が大切です。
原因と分類
睡眠時無呼吸症候群は、閉塞型(OSA)、中枢型(CSA)、混合型の3種類に分類されます。
閉塞型
睡眠中に喉の筋肉が緩み、気道が狭くなることで呼吸が妨げられる最も一般的なタイプで、肥満や扁桃肥大などが原因となります。
中枢型
脳からの呼吸指令の異常が原因で呼吸が止まるタイプで、心不全や脳卒中と関連することがあります。
混合型
閉塞型と中枢型の両方の特徴を持つタイプです。
診断には睡眠中の呼吸状態を詳しく調べる検査が不可欠です。問診、簡易検査、精密検査(PSG)などを通して、睡眠時無呼吸症候群のタイプと重症度を正確に診断し、適切な治療法を選択します。
放置するとどうなるか
睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧、心疾患(心筋梗塞や不整脈など)、脳卒中などの発症リスクが高まります。これは、睡眠中の低酸素状態が血管や心臓に過剰な負担をかけるためです。
また、睡眠時無呼吸症候群患者は糖尿病を発症しやすい傾向があるという報告もあります。さらに、日中の強い眠気や集中力低下により、仕事の効率が低下したり、居眠り運転による交通事故のリスクが高まったりします。
睡眠時無呼吸症候群は、命に関わる病気のリスクを高めるだけでなく、生活の質(QOL)を著しく低下させる可能性があります。早期発見と適切な治療が不可欠です。
検査方法
睡眠時無呼吸症候群の検査は、詳細な問診から始まり、いびきの頻度や大きさ、日中の眠気の程度などを詳しくお伺いします。
次に、自宅で実施できる簡易検査を行い、睡眠中の呼吸状態や血液中の酸素濃度を測定します。
簡易検査の結果、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高い場合は、精密検査(PSG:終夜睡眠ポリグラフ検査)を行います。
PSG検査では、入院していただき、睡眠中の脳波、呼吸、心電図などを詳細に記録します。これにより、睡眠時無呼吸症候群のタイプ、重症度、睡眠の質などを詳細に評価します。
患者さんの状態に合わせて最適な検査方法を選択し、正確な診断を目指します。
治療方法
睡眠時無呼吸症候群の治療には、CPAP(シーパップ)療法、マウスピース治療、外科的治療、生活習慣の改善などがあります。
CPAP療法
睡眠中に鼻に装着したマスクから一定の圧力をかけた空気を送り込み、気道を広げて呼吸をサポートする治療法で、最も一般的で効果が期待できます。
マウスピース治療
歯科医院で作成されたマウスピースを装着し、下顎を前方に移動させることで気道を広げる治療法で、軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群に適しています。
外科的治療
鼻や喉の構造的な問題が原因の場合に検討されます。
減量、禁酒、寝る姿勢の工夫といった生活習慣の改善も重要です。
当院での対応について
当院では、睡眠時無呼吸症候群の診断から治療、フォローアップまで、患者さん一人ひとりに合わせた包括的な医療を提供しています。
初診時には詳細な問診を行い、必要に応じて簡易検査やPSG検査を実施し、睡眠時無呼吸症候群のタイプと重症度を正確に診断します。
診断結果に基づき、CPAP療法、マウスピース治療、生活習慣改善指導など、最適な治療計画をご提案します。
CPAP療法では、専門的な知識を持つ医師や技師が、マスクの選択から設定まで丁寧にサポートします。
マウスピース治療をご希望の場合は、提携歯科医院をご紹介します。
外科的な治療が必要な場合は連携病院をご紹介します。
睡眠時無呼吸症候群は早期発見と適切な治療が重要です。気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。
港北区・妙蓮寺駅近くのさかきばら耳鼻咽喉科では、いびきや睡眠時無呼吸でお悩みの方に対し、患者様一人ひとりに合った治療法をご提案しております。
ご本人はもちろん、ご家族で気になる症状がございましたら、お気軽にご相談ください。